会長挨拶

会長 増田健一

このたび、獣医アトピー・アレルギー・免疫学会の第4代会長に就任いたしました。私は以前、第2代会長を務めましたが、再び会長として本学会の運営に携わる機会をいただき、その責任の重さを改めて感じております。これまで本学会の発展に尽力された歴代会長、役員、委員ならびに会員の皆様に深く敬意を表するとともに、築かれてきた活動を継承し、さらに発展させるべく全力を尽くしてまいります。

免疫学およびアレルギー学は、感染症、皮膚疾患、呼吸器疾患、消化器疾患、自己免疫疾患、腫瘍など、獣医療の幅広い領域に関係する基盤的な学問です。しかし、その内容は複雑で進歩も速く、基礎研究から得られた知見を日常診療へ正しく取り入れることは、必ずしも容易ではありません。本学会は、科学的根拠に基づく情報を分かりやすく発信し、獣医学における免疫・アレルギーに関する理解を深め、診療現場における知識と常識の水準を高める役割を担っていきます。

特に、犬および猫のアレルギー疾患について、病態の捉え方から診断、検査、治療、長期管理に至るまで、本学会が提唱する診療体系が、将来、国内にとどまらず世界の獣医療における一つの基準となることを目指します。そのためには、既存の知識を紹介するだけではなく、獣医療の現場から新たな疑問を見いだし、臨床研究と基礎研究を結びつけ、犬や猫から得られた独自の知見を世界へ発信していくことが重要です。

また、本学会が育成・認定する技能講習履修獣医師が、一次診療を支援する二次診療や、高度な知識と判断力を必要とする専門科診療の担い手として活躍できる環境を整えてまいります。免疫・アレルギー疾患は臓器別の診療科だけでは解決が難しいことも多く、領域を横断して病態を理解できる獣医師の存在は、今後ますます重要になります。技能講習制度の充実に加え、その専門性が社会的にも適切に評価され、実際の診療に生かされる仕組みづくりに取り組みます。

さらに、本学会が継続してきた、意欲ある学生や若い獣医師の育成を一層発展させます。知識を学ぶだけではなく、自ら疑問を持ち、論理的に考え、研究し、発表し、次の獣医療を創り出すことのできる人材を育てる場でありたいと考えています。若い世代が自由に議論し、国内外へ挑戦できる学会を目指します。

本学会を、学びたい人、診療を向上させたい人、研究を発展させたい人が集まり、ともに獣医療の未来を築く場として、さらに成長させてまいります。会員ならびに関係者の皆様には、今後とも一層のご理解、ご支援とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

2026年8月

獣医アトピー・アレルギー・免疫学会
会長 増田 健一


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